「はじめてのGTD ストレスフリーの整理術」を読んで

「はじめてのGTD ストレスフリーの整理術」を読みました。
日に日に増していくタスクを上手にこなすためのひとつの方法として、GTD(Getting Things Done)についてまとめます。

注意
この記事は2014年11月9日に投稿された内容に追記・編集しています。近日、2018年版の続編を公開予定です。

なぜ新人WebデザイナーがGTDを勉強しようと思ったか

まずはじめに、これを書いている私はWeb制作会社に勤める駆け出し一年生Webデザイナーです。※2014年当時

入社から半年以上経てば、こなさなければならないタスクの量が増えるのはどこの新人さんも同じだと思います。しかし、前述の通りあれこれ色々なことをやっていて、量より種類の管理に難しさを感じるようになりました。そんな私が、デザイナーの先輩の勧めで読んでみた「はじめてのGTD ストレスフリーの整理術」(※2015年に改訂版が出版されました)について、自分の状況と照らし合わせつつまとめていきます。

「GTD」って何?

GTD(Getting Things Done)とは、乱暴にまとめてしまえば「やるべきことがたくさんあっても、頭をすっきりさせて高い生産性を発揮するためのタスク管理術」です。

こういう風に表現してしまうと、なんだかとっても意識が高い人向けのライフハックのようですね。しかし、中身を見てみると「気になることは頭のなかにとどめず、ノートや外部ツールに吐き出す」「タスク一覧を作る」「タスクの処理順を考える」などなどとても常識的な内容です。なので、自己啓発書というよりはきちんとレシピの載っている情報整理術のハウツー本でした。

「あれをやらなきゃいけないけど、時間も余裕もないし…」と、なんとなく脳みその片隅にタスク(らしきもの)が引っかかってもやもやするような経験、どなたでもあると思います。「やるべきこと」にも期限や優先順位はあるのに、頭に置いておくだけではいまいち整理もできません。それを頭から取り出して、整理、可視化するのがGTDです。

ストレスフリーの整理術のポイント

  • 頭の中の「気になること」を”すべて”頭の外に追い出す
  • すべての「気になること」に、理想とする結果と次にとるべき行動を決める
  • 決めた次にとるべき行動を信頼できるシステムで管理し、定期的に見直す

GTDの5つのステップ

GTDで仕事(プライベートでやりたいことも含め)を管理するには、5つのステップが必要です。

気になることをすべて「収集」する

収集とは、そのままの意味で「少しでも気にきになったことをすべて書き留めておくこと」です。ただし、自分が思いついたことは書き留めておくことができますが、ポストに届く郵便物やPCのメールも「気になること」に含まれます。これを一時的な受け皿(inboxと呼ばれます)に貯めておくのが収集のプロセスです。ささいなことでも頭の中に置いておくと、小さなストレスが積み重なって頭のメモリを食ってしまうようです。

inboxを使いこなすコツは、アナログでもデジタルでも以下の通りです。

  • すべての「気になること」を、収集システムに取り込む
  • inboxの数は最小限に
  • inboxを定期的に空にする

ミーハーで色々なツールを使うのが好きなので、一番気をつけるべきポイントは「inboxとなるツールを増やし過ぎないこと」かと思っています。貯めこむとやる気が削がれるというのは納得なので、処理をすることでinboxを空にしていく必要があります。ちなみに、ここでいう「処理」というのはタスクを片付ける「実行」とは別物です。

何をすべきかあきらかにする「処理」をする

「気になること」をinboxに溜め込んだら、その「気になること」にどういう意味があり、何をすればいいのかを決めます。これを「処理」といいます。処理は自問自答に近いんですが、主な質問は以下の2つ。

  • これは何か?(自分の書いたinbox以外のものはざっと目を通して把握する)
  • 行動を起こす必要があるか?(要るもの・後で要るもの・いらないもの)

行動を起こす必要があるものは、さらに考えることが増えます。

  • どのような結果を求めているか(結果を「プロジェクト」と呼びます)
  • 次にどんな行動をとるべきか(できるだけ具体的に)

たとえば、私は11月17日(月)の社内勉強会でSketch3の話をすることになっています。そのための目標=プロジェクトは「Sketch3を使ったデザイナーとコーダーの連携をまとめる」となります。
ついついタスクリストにこのプロジェクトを書きたくなってしまいますが、これだけではざっくりしていて何をしていいかわかりません。(このざっくりがタスクをこなすやる気を削ぐ原因かもしれません)そこで、次に起こすべき詳しいアクションを決めます。この場合は「Sketch3のスクリーンショットを撮る」「紹介したい機能を書き出す」ことが次の行動になります。

ここで詳しいタスクをまとめると、さっそく取り掛かりたくなります。しかし、ここで重要なのは「今すぐ2分以内でできること」だけを実行し、時間がかかりそうなもの・人にお願いできるものとは区別することです。時間がかかるものは「次にやること」リストに書き加えて適切なタイミングで見直します。

処理した結果を「整理」する

ここでは、処理したものを8つのカテゴリーに分けていきます。

行動を起こすべきもの

  • プロジェクトリスト(「処理」でできたプロジェクト一覧)
  • プロジェクトの参考情報
  • カレンダー(期限のあるもの)
  • 次にとるべき行動のリスト(機会が来たらやること)
  • 連絡待ちのリスト(自分のターンではない、完了の報告を待つもの)

行動を起こす必要がないもの

  • 保留(後で再評価するために)
  • 資料(必要なときに見る情報)
  • ゴミ箱

行動の選択肢を「レビュー」する

これもそのまま、「これは何だったっけ?」と書き留めたものを再評価することです。何ができていて、何ができていないかを定期的に見直し、把握することで漏れを防ぐことができます。何度も書き加えていたら、このプロセスで優先順が変わることもありそうです。

選んだ行動を「実行」する

ここまでやったら次のアクションがはっきりしているので、あとはひたすら片付けるのみ!

使用してみるツールについて

本ではGTDを実践するための詳しい方法が紹介されていますが、明確なツールは決められていません。アナログなノートやA4コピー用紙も使えますが、職場のPC、プライベート用のPC、iPhoneで連携したいのでWebサービスを使うことにしました。

Evernote

外付けの脳みそであるinboxには、使い慣れている「Evernote」を使うことにしました。
業務に関わることは情報量が多くなりそうなので、テキストだけでなくWebページも保存できるEvernoteで「気になること」を収集しています。あとは、業務にまつわるタスクリストもEvernoteのチェックボックスを使っています。

Day One

プライベートの「気になること」を業務関係の情報と一緒にしておくとあとあと混乱しそうなので、シンプルなノートアプリ「Day One」を使っています。iPhoneアプリもあり、iCloudで同期するのでEvernoteより気軽に使えます。ちょっとしたメモ向き。

Todoist

Todoistでは、プライベートと勉強に関わるタスクを管理しています。プロジェクトで複数のタスク(チェックリスト)をまとめておけるので、ひとつの目標を達成するための細かい工程を管理するのに便利です。

重要なのは「何のためにそれをやるのか」わかっておくこと

積み重なるタスクをやっつけていくと、片付けるだけでいっぱいいっぱいで作業の意味にまで頭が回らなくなりがちです。そんな中、情報を整理することで目標が見えてきます。

まだまだ実践し始めたばかりなので、結果や感想はもう少し続けてみてからまとめます。収集と処理を週末の空き時間で少しやっただけでも色々とやりたいことがすっきり見ててきたので、運用していくのが楽しみです。

2018年追記 4年間取り組んだタスク管理について

以上は、2014年の社会人1年目に書いたブログ記事です。

結局、この4年間は「OmniFocus」のMac版、iOS版を軸に、ときどき紙の手帳やyPadに浮気したりしながらタスクを管理していました。しかし、最近「Todoist」に乗り換えて調子が出てきたので、近日中に2018年版のタスク管理の記事を書きたいと思います。