UXデザイン連続セミナー #3「カスタマージャーニーマップとサービスブループリント」 参加レポート

UXデザインの知見と経験を得るのために、全5回のUXデザイン連続セミナーに参加しました。今回は2019年9月28日開催の第3回「カスタマージャーニーマップとサービスブループリント」のレポートです。

本記事は『あさぎデザインひとりAdvent Calendar 2019』の4日目のエントリーです。

前回の振り返り

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第2〜5回のワークショップを通して、6人のチームでひとつのプロダクトを提案する課題が出されました。

個人的な目標を振り返る

この講座は以下の目的のために受講しています。(と、忘れないように振り返っておきます)

  • 制作するWebサイト/アプリ開発に付加価値を与えたい。
  • 成果を出せるアウトプットをするための技術を身につけたい。
  • バラバラに勉強したワークショップなどの知識を体系化したい。

今回やること

ユーザー体験の俯瞰的な可視化によるアイデア発想手法

  • カスタマージャーニーマップ
  • サービスブループリント(サービスアイデア発想)

受講生からの質問と井登先生の回答

Q. ライフゴールとエンドゴールの違いは何ですか?

エンドゴールのほうが具体的。ライフゴールを実現するために取り組むことがエンドゴール。ゴールの抽象度のレベルが違うので注意。(ペルソナを作るときに2つとも設定しなければいけないわけではないが、願望と行動を分けるために2つにしている)

Q. ペルソナって古くないですか?役に立つんですか?

本セミナーでは、オーソドックスなデザインツールとして学んでいる。
「ペルソナって作らないといけないの?」という議論はあちこちで起こっているし、全プロジェクトで作るわけではない。

ペルソナを作らなくてもいいケースは「抽象度が高いテーマを抽象的なまま扱える人」。しかしこれはデザイナーのセンス(=未来を予想する力)に大きく依存するので、ペルソナを作ったほうがチームで情報を扱いやすい。

何が求められているかを捉えやすくするのが「ペルソナ」である。人格を与えることで、一連の行動・感情の動きを何人かで共有するために役立つ。

Q. ペルソナなどの調査で「ここまでやったから次のフェーズに行こう」と決断するタイミングはいつですか?

「期日、時間を決める」とのこと。
100%の正解がない分野なので、少しでも仮設の強度が高いものを出来るだけ短時間で見つけるのが理想。

4つのD(Discover→Define→Develop→Deliver)は必ずしも「Discover」から始めなければいけないわけではなく、「Develop→Deliver」から始めて「上手くいかないな?」と思ったタイミングで「Discover」に戻ってもいい。

※ただし、HCDの手法はISOで規定されているのでクライアントによっては要注意。

Section.1 レクチャー

ペルソナを活用するには

「36歳・男性・年収700万円・Webデザイナー・東京都郊外」という一見具体的に思える情報を与えられても、選ぶ自動車や腕時計、家具などは意外と判断ができません。

しかし、この情報をもとにしたペルソナとして「個人でWebデザイン事務所を経営する36歳、自分にとって気に入った上質なものに囲まれてストレスフリーに暮らしたい(=ライフゴール)、所有するものは自分の目で厳選して長く使いたい(=エンドゴール)」という人格を提示されると、一気に「この人が選びそうなサービスやプロダクト」がわかりやすくなります。

ペルソナとそのゴールが明確になったら、次に行うのは「ペルソナにとって理想のストーリーを描く」こと。

To-Be ジャーニーマップを描く手順

ユーザーの期待や解決したいこと(ニーズ)を製品やサービスと触れ合う経験軸上に、最適に配置する。

カスタマージャーニーマップとは

現状をAs-Is、理想をTo-Beという視野で表すと、サービス開発に必要なのは「To-Be カスタマージャーニーマップ」です。

  1. 調査結果から描きやすいAs-Isジャーニーを描く
  2. As-Isから現状の問題・課題(フェイル/ペイン/ゲイン)を発見する
  3. 問題・課題を裏返すとTo-Beになる(問題・課題を吹き飛ばすような理想)

サービスコンセプトの作り方

理想の状態(To-Be ジャーニーマップ)ができたら、サービスに落とし込むべくサービスコンセプトを策定します。

  • どんなペルソナ
  • どんなニーズやゴール、課題 を解決する/充足させる
  • 端的に説明するとどのような 製品/サービス

ワークショップでも色々と書いてみたんですが、短く簡潔にまとめようとするよりはきちんと属性・特徴を盛ってあげたほうがその後の作業は進めやすかったです。

Section.2 ワークショップ

模造紙2枚使った大作になりました

カスタマージャーニーマップの一番下(写真のオレンジのポストイットの行)がもっとも重要な「時間軸ごとの理想の状態」です。この理想を叶えるためのサービスコンセプトを作成しました。

「行動」「感情・思考」「ステークホルダー」「ペイン(困りごと)/フェイル(課題)」というそれぞれの情報に落とし込んでいくのですが、前回同様に「感情・思考」と「ペイン/フェイル」を混同するのが課題です。

イベント詳細:HCD-Net東海 UXデザイン連続セミナー(2019年)