UXデザイン連続セミナー #2「KA法による価値抽出・ペルソナデザイン法」 参加レポート

UXデザインの知見と経験を得るのために、全5回のUXデザイン連続セミナーに参加しました。今回は2019年9月14日開催の第2回「KA法による価値抽出」「ペルソナデザイン法」のレポートです。

本記事は『あさぎデザインひとりAdvent Calendar 2019』の3日目のエントリーです。

前回の振り返り

[card id=”811″]

第2〜5回のワークショップを通して、6人のチームでひとつのプロダクトを提案する課題が出されました。

第1回の宿題は前回実施したデプスインタビューの内容を書き起こし、価値抽出の準備をすること。Googleドライブを活用してリモートで分担しました。

個人的な目標を振り返る

この講座は以下の目的のために受講しています。(と、忘れないように振り返り)

  • 制作するWebサイト/アプリ開発に付加価値を与えたい。
  • 成果を出せるアウトプットをするための技術を身につけたい。
  • バラバラに勉強したワークショップなどの知識を体系化したい。

今回やること

  • KA法による価値抽出と構造化
  • ペルソナデザイン法

Section 1. レクチャー

インサイトとは、さまざまな発見を複層的で多面的な視点で”解釈”した結果

前回のデプスインタビューでは、インフォーマント(情報提供者)が話した内容だけではなく、仕草や声のトーンまで詳しく記録しました。ここで得られた「ファインディング」を「インサイト」に落とし込むのが今日の課題。

インサイトを得るためのプロセス

  1. データを選ぶ
  2. 関連するデータをつなげる
  3. つながりを解釈する
  4. 解釈をもとに、より大きなフレームや意味を見出す

1〜4のプロセスを通して必要なのが「理解と解釈」。インタビューした相手の心の中で起こったことを事実をもとに解釈していきます。

「インサイト」の取り扱い、掘り下げ方をもう少し詳しく勉強したかったので、後日参考になりそうな書籍を読んでみました。そのときに書いたレポートはこちらです。

[card id=”857″]

KA法による価値抽出

個人の嗜好に基づく具体的な発言”ファクト”からその背景にある“心の声”を解釈し、普遍的に通じる本質的”価値”に置き換えていく作業です。

なんとなく理解はしているし、言葉として提示されたら「そんなの当たり前じゃん」と思えるような事実を「具体的な言葉」に落とし込む作業だと解釈しています。

そもそもなんのために価値を抽出するかというと、膨大なデータ(ファクト)を常に手元に置いておかなくても、開発するサービスやプロダクトについて検討できる下地作りです。

何かを検討するたびに膨大なインタビューのデータを漁っていたら非効率ですし、データから本質の情報を「価値」として抽出できていればインタビューに同席していないメンバーにも情報共有しやすくなります。(その場にいたって時間が経てば色々と忘れますし)

だからこそ、この段階で抽出が甘かったり解釈が間違っていたりするとプロジェクト全体への影響が大きいことがよくわかりました。

価値抽出のポイント

ポイントは「普遍的」であること。

悪い例・「新しい車に乗れる価値」(※「車」独自の要素が強いので普遍的ではない)
良い例・「常に最先端のものを扱える自分である価値」

ただし、抽象度が高すぎてもいけないとのことでした。(たとえば「安全に生きたい」だと抽象度が高すぎる)

大きな価値群を見つけたときのポイント

抽出した価値を見ていると、ある程度グループ(=価値群)に分けられることがわかります。

UXリサーチャーとして、大きな価値群を見つけたときは以下のような戦略を練ることができます。

  • その価値をがんばってすべて扱うか(絞り込むのも戦略)
  • ポジティブ or ネガティブなものに絞り込むか

市場におけるユーザーとの関係なども影響するので、どんなケースにも通用する正解はないとのことでした。

Section 2. ワークショップ

価値をグループ(価値群)別に分類している様子

前回のインタビューから読み取った内容をポストイットに書き込みます。

  • 出来事(話の内容、仕草など)
  • 心の声(ユーザーの動機?)
  • 価値

そこから「価値」を価値群にグルーピングしました。

細かくなりすぎず、壮大すぎず、ちょうどいいサイズ感の普遍的な価値の抽出が本当に難しい。こればかりは場数を踏むしかないかと思っています。

「価値」と「心の声」を混同してしまいがちだったのが反省点です。

イベント詳細:HCD-Net東海 UXデザイン連続セミナー(2019年)